約10年前、私が風俗で働く方の相談支援に携わったのはただの偶然でした。当時は特別この分野に関心があったわけではないのが正直なところです。
しかし、相談を始めてみると、複雑な事情を抱え、簡単には解決できない状況にある方々に多く出会いました。そして、その要因は相談者が作ったものではなく、さまざまな社会的背景に起因するものであることに気づきました。
同時に、そうした社会的背景があるにもかかわらず、「自己責任」として困難を抱えた人を夜の世界に追いやり、臭いものに蓋をするかのように存在を不可視化している社会に理不尽さを覚えました。
私たちと夜の世界で働く人たちを隔てるものはなんでしょうか。
仮に、隔てるものがあったとして、夜の世界で働く人が支援に繋がれない理由にはならないはずです。
私たちはどんな人であっても必要な時、必要な支援に繋がれる社会を目指しています。それは言い換えれば困ったときに助けを求められる社会を意味します。
私たちはちょっとしたきっかけで簡単に困難な状況に陥ります。そんなとき「困った!」「助けて」と言って助け合える、そんな暖かい社会をぜひ一緒に作っていきましょう。
私たちのところには、さまざまな局面で不安を感じ、傷ついた方がたくさん訪れます。そうした方々の傷つきを受け止めるところから私たちの相談はスタートしています。相談者が少しでも前を向けるように、相談者に寄り添う支援を大事にしています。