全国の協力弁護士を募集します!【5月10日まで】

NPO法人風テラスでは、性風俗の世界で働く方々から寄せられる法律相談に、全国各地で対応してくださる協力弁護士を募集しています。

「夜の世界の課題解決に、法律家の立場から関わりたい」「司法と福祉の連携=ソーシャルワーカーとの協働に関心がある」という方からのご応募、お待ちしております。

目次

風テラスが目指すもの

夜の世界で孤立困窮する人に「安心」と「選択肢」を

私たちは、『だれもが「今日の安心」と「明日の選択肢」を得られる社会』の実現を目指して、性風俗の世界で働く人たちが仕事のことを隠さずに、今抱えている悩みを安心して相談できる機会をつくるために活動しているNPOです。

性風俗や売春といった「夜の世界」は、失業や生活困窮、病気や障害、家庭の事情などで、仕事や居場所を見つけることができず困難を抱えた人々が集まりやすい場所の一つになっています。

しかし、性風俗の世界は、慈善事業でも生活困窮者のセーフティネットでもなく、あくまで「ビジネス」です。そのため、高収入を稼ぎ出せる人がいる一方で、最低限の生活や権利を保障されない人が存在する現実があります。

さらに、性風俗で働く・働いていたということが足かせとなり、家族や友人からも孤立して、公的支援にもつながれずに、困難を深める人も少なくありません。

私たちは、性風俗の世界に足を踏み入れたことで、孤立してしまう人を一人でもなくしたいという思いから、「夜の世界で生きる人たちの『今』を受け止め、『次』につなげる」というミッションを掲げ、性風俗で働く人々の無料の生活・法律相談窓口を運営しています。

「司法と福祉の連携」を夜の世界に届ける

「何からどうやっていけばよいのかわかりません」

相談者の中には、いくつもの課題が絡み合い、適切なタイミングで適切な人からの支援が得られずに、性風俗の世界でどうにか生活してきたという方が大勢います。寄せられる相談の文末に、「何からどうやっていけばよいのかわかりません」という言葉を何度も目にしてきました。

相談の多くは、多重債務や家賃滞納などの生活困窮に加え、店舗からの罰金要求や客のストーカー、盗撮、性暴力、妊娠葛藤、誹謗中傷など、法的なアドバイスを必要とする内容です。

そこにメンタルや家族の問題、病気や障害が加わるような困難が重なり合っているケースでは、弁護士とソーシャルワーカーが協働して初期の段階からサポートに入ります。

弁護士は、喫緊の先送りできない問題(たとえば家賃滞納や借金など)をサポートし、ソーシャルワーカーは生活環境の改善や医療アクセス、地域社会からの孤立など福祉的なサポートを担います。法と福祉の連携によって、山積した悩みで動けなくなった当事者に寄り添い、解決の糸口を探し、一人一人の道を照らす活動を続けています。

一方で、相談者の中には「相談したいが風俗の仕事を打ち明けづらい」 「弁護士に相談したら叱られるんじゃないか」 などの理由から法的な支援につながれず、せっかく相談したのに、解決への道筋が見えなくなる事が少なくありません。

風テラスの相談員は、「どんなことでも話して大丈夫」という安心のキャッチボールを重ねて、信頼関係を構築し、法的な支援を届けるタイミングを見定めています。そのようにして相談者の方の機運が高まった時、地域の弁護士の皆さんにバトンをつなぐことができれば、これほど心強いことはないと考えています。

夜の世界で孤立・困窮する人々にリーガルアクセスを提供し、 『だれもが「今日の安心」と「明日の選択肢」を得られる社会』を実現するために、 私たちの活動に仲間として加わってくださる弁護士の皆さんからのご応募をお待ちしています。

業務内容

●皆様の活動エリア、専門分野を希望する相談者のご紹介

※下記はご依頼する可能性がある業務の一覧です。

●ソーシャルワーカーとの法律相談(LINE通話・対面)

●SNS相談の法律監修(回答や対応方針の助言など)

●事例検討会、対外イベントなどへの参加

*参考図書:『福祉的アプローチで取り組む弁護士実務 ー依頼者のための債務整理と生活再建―』(2020年・第一法規)
 風テラスにおける弁護士とソーシャルワーカーの連携事例を収録しています。

風テラスに参画することで得られる経験

●司法×福祉の現場最前線、リーガルアクセスや権利擁護の必要性を体感できる場

性風俗で働く人たちの悩みや不安に向き合う現場で、ビジョンや想いを持つ弁護士・ソーシャルワーカーと一緒に仕事をしながら、対人援助や法律・福祉制度に関する具体的かつ実践的な知識を学ぶことができます。同じ関心や志を持つ弁護士や他業種の仲間と出会い、互いに高め合いながら視野や人脈を広げることができます。

●社会課題の解決を目指すソーシャルビジネスの現場に携われる

「夜の世界で働く方の支援」という独自性の高い活動を行うNPOに参画し、「性風俗」という切り口から、困難を抱える女性や若者、日本社会が抱える様々な課題を捉え、その解決に関わることができます。

募集要項

募集期間2024年3月~(定員に達し次第、募集終了)
募集地域全国
・相談の多い地域(札幌・仙台・東京・横浜・大阪・神戸・広島・福岡)の弁護士の方も歓迎です
募集人数数名
応募資格・弁護士資格(経験年数は不問)
・月1~2回(各2時間)PC接続での通話相談が可能な方
・PCやスマホ、SNSの基本操作ができること
・業務用ITツール(Slack、Googleドライブなど)の使用に支障がないこと
・業務上の連絡に即日レスポンスが可能な方(休日をのぞく)
求める人物像・風テラスの活動方針に共感する方
・柔軟性と自発性がある方
・時代のトレンドを積極的にとらえ、アップデートできる方
・相談対応案件の進ちょくについて円滑な報告や共有ができる方
活動日数月1〜3日程度(最大1日あたり2時間程度)
活動時間9〜21時頃の間で応相談
(ソーシャルワーカーとの相談会スケジュールに合わせて適宜調整)
活動場所応相談
オンラインでの通話相談対応のほか、貸会議室等での対面相談会も実施しています
契約形態/待遇業務委託契約
報酬については面談時に案内

弁護士の相談員からのメッセージ

三上早紀(弁護士)

こんにちは!相談員で弁護士の三上早紀です。

困ったときの相談窓口はたくさんあります。「いつでも」「だれでも」「無料で」といった謳い文句の窓口もあって、一見するととても相談しやすそうです。しかし、風俗業界に身をおく方々は「仕事のことを言えない」「職業を聞かれたらどうしよう」という恐怖や不安が先立ち、相談に踏み切ることができないまま、状況をより悪化させてしまうケースが多くあります。

風テラスは、風俗業界に身を置く方々が、職業を包み隠さずに気兼ねなく相談できる場所です。この場所は、職業を隠さなくていい、安心・安全な場所です。

この貴重な場をこれからも維持し、より多くの方にとって役立つ場に発展させていけるように、私たちと一緒に頑張りましょう!熱意ある方の応募を心より楽しみにしています。

徳田玲亜(弁護士)

相談員の徳田です。

風テラスの相談をしていると,講義で学んだことがない,あるいは学んだことが役に立たない場面に何度も出くわします。

弁護士とSWが必死に知恵を絞り,相談者も一緒になって真剣に解決策を探ったことも何度もありました。

回答が出ないままに相談が終了してしまい,無力さに打ちひしがれることも多々ありますが,そんな状況でも相談を経て新しい一歩を踏み出して行く相談者に励まされることも多々あります。

相談員にとって学びの多い現場だと思います。言うまでもなく多くの相談員がいてはじめて成り立つ支援体勢です。一緒に活動できる仲間が増えたら嬉しいです。

採用までの流れ

以下の書類を、風テラス事務局(info@futeras.org)までメールにてご提出ください。

※メールの件名は「【協力弁護士応募】〇〇〇〇(お名前)」とお書きください。

<ご連絡項目>

・氏名、年齢、活動地(所属事務所)、対応可能な分野

参考文献(風テラスの活動趣旨にご興味がありましたら、お読みいただけると幸いです。必須ではありません)

『性風俗のいびつな現場』(2016年・ちくま新書)
『「身体を売る彼女たち」の事情 ~自立と依存の性風俗~』(2018年・ちくま新書)
『性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困』(2019年・集英社新書)
『性風俗サバイバル 夜の世界の緊急事態』(2021年・ちくま新書)
『福祉的アプローチで取り組む弁護士実務 ー依頼者のための債務整理と生活再建―』(2020年・第一法規)

一次申し込みの締め切り(5月10日)後、オンラインで面談を行います。
面談後、次の手続きについてお知らせいたします。

 必要に応じて研修等を受講していただきます。
実際の相談会を見学する場合もあります(オンラインも可)

皆様の活動エリアでの相談、専門分野での相談の際にご協力をお願いします。
ソーシャルワーカーが相談に同席することもあります。(オンラインも可)

応募に関してご不明な点がある場合、風テラス事務局(info@futeras.org)まで、お気軽にご連絡ください。

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