学生インターン+プロボノ(社会人ボランティア)募集!【5月10日まで】

NPO法人風テラスでは、2024年度の学生インターン(大学生・院生・法科大学院生)、プロボノ(社会人・専門職のボランティア)の募集を行っています。

「夜の世界の課題解決に関わりたい」「同じ志の仲間とともに活動したい」「成長フェーズのNPOで社会の役に立つ活動がしたい」という想いを持った学生の方、社会人の方を募集しています。

第一期の応募は5月10日(金)まで。関心がある方は下記の内容をご覧の上、ご応募お待ちしています。

目次

夜の世界で孤立・困窮する人に「安心」と「選択肢」を

私たちは、『だれもが「今日の安心」と「明日の選択肢」を得られる社会』の実現を目指して、性風俗の世界で働く人たちが仕事のことを隠さずに、今抱えている悩みを安心して相談できる機会をつくるために活動しているNPOです。

性風俗や売春といった「夜の世界」は、失業や生活困窮、病気や障害、家庭の事情などで、仕事や居場所を見つけることができず困難を抱えた人々が集まりやすい場所の一つになっています。

しかし、性風俗の世界は、慈善事業でも生活困窮者のセーフティネットでもなく、あくまで「ビジネス」です。そのため、高収入を稼ぎだせる人がいる一方で、中には、最低限の生活や権利を保障されない人が存在する現実があります。

さらに、性風俗で働く・働いていたということが足かせとなり、家族や友人からも孤立して、公的支援にもつながれずに、困難を深める人も少なくありません。

このように性風俗の世界に足を踏み入れたことで、孤立してしまう人を一人でもなくしたいという思いから、私たちは「夜の世界で生きる人たちの『今』を受け止め、『次』につなげる」というミッションを掲げ、性風俗で働く人々の無料の生活・法律相談窓口を運営しています。

「司法と福祉の連携」を夜の世界に届ける

「何からどうやっていけばよいのかわかりません」

相談者の中には、いくつもの課題が絡み合い、適切なタイミングで適切な人からの支援が得られずに、性風俗の世界でどうにか生活してきたという方が大勢います。寄せられる相談の文末に、「何からどうやっていけばよいのかわかりません」という言葉を何度も目にしてきました。

困難が重なり合っているケースでは、弁護士とソーシャルワーカーが協働して初期の段階からサポートに入ります。

喫緊の先送りできない問題(たとえば、家賃滞納や借金など)を弁護士がサポートし、生活環境の改善や医療アクセス、地域社会からの孤立など福祉的なサポートをソーシャルワーカーが担うことで、山積した悩みの中で動けなくなった当事者に寄り添いながら解決の糸口を探す、一人一人の道を照らす活動を続けています。

相談員は、対面や電話をはじめ、SNSチャットも活用して、不安を抱える当事者の「ありのままの気持ち」を受けとめることを大切にしています。「どんなことでも話していい」という安心できる経験を重ねることで、人への信頼や社会につながる力を取り戻していく人々の姿が、私たちの励みにもなっています。

社会課題の解決に向けて情報発信・啓発に注力

ただ、「誰に相談してよいかわからない」「風俗で働いた自分が悪い」と、相談にたどり着けない人も多くいます。格差が広がる社会情勢の中で、毎年、性風俗業界の従事者人口は増加しており、特に若年層が様々な形で夜の世界には入ってくる中で、新たなリスク、新たな困難が生まれています。

また、社会の側が、夜の世界や性風俗で働く人に対して、特別な価値観を持っていたり、特別視するのではないかという疑心暗鬼の中で、相談者自身が立ち止まってしまうという場面も少なくありません。

そこで、これらの課題解決に向けて、「情報発信」や「啓発活動」にも注力しています。

 「情報発信」では、一人でも多くの性風俗で働く方に私たちの窓口の存在や適切な情報を伝えるため、当事者向けのマンガやコラム、SNS投稿などを精力的に行っています。「啓発活動」では、性風俗の世界で困窮する方々について理解を広げる研修やイベントなどを毎月のように展開しています。

そして、誰もが相談につながるためのすべての事業の原資は、寄付であり、資金調達(ファンドレイジング)は、私たちの最も重要な仕事の一つです。

相談対応する相談員だけでなく、風テラスに関わるすべてのメンバー、すべての仕事が、性風俗の世界で困窮する人々を支ええ、明日への希望と選択肢が持てる社会づくりに寄与しています。

私たちと共に歩んでくださる方のご応募をお待ちしています。

応募資格

風テラスの活動に関心がある学生・社会人の方

<学生>

・大学生・院生

 ⇒NPOや福祉に関心のある方、ファンドレイジングなどソーシャルアクションに関心がある方、夜の世界をテーマにした卒論・修論等の執筆を考えている方

・法科大学院生

 ⇒弁護士志望、司法と福祉の連携(司法ソーシャルワーク)に関心のある方

<社会人>

・ファンドレイジング、営業、広報PR、マーケティング、Webデザイン、ライティング、組織マネジメント、 プロジェクトマネジメント、 事業開発・事業推進、会計・経理などのスキルをお持ちの方、またはキャリアチェンジを目指す方

・専門職(現職の社会福祉士・精神保健福祉士・保健師・臨床心理師など)、キャリアチェンジを目指す方

業務内容

●事務局業務
 会議の補助、スケジュールの調整・管理、連携先の開拓や関係づくりに向けた取組、業務の仕組み化・効率化など

広報関連業務
 団体のPR、寄付者向けイベントや研修の企画運営、活動報告記事の企画・作成、HP更新・SNS運用など

●当事者向けコンテンツの制作・イベント企画
 コラム作成、情報発信の企画・実施、当事者向けイベントの企画運営など

●資金調達(ファンドレイジング)関係
 資金調達関連情報の収集・整理、提案資料作成補助、寄付マーケティング施策の立案、寄付者とのコミュニケーションなど

相談支援関連業務(弁護士・ソーシャルワーカーの相談員候補)
 チャット・通話での相談業務の補助(相談記録作成、統計管理など)

※実際に担っていただく業務は、採用者の希望や適性、団体の状況に合わせて、個別に相談の上決定したいと思います。
ご関心のある業務や活かせるスキルについては、履歴書または職務経歴書にご記載ください。

風テラスで働くことで得られる経験

●社会課題の解決を目指すソーシャルビジネスの現場に携われる

「夜の世界で働く女性の支援」という独自性の高い活動を行うNPOに参画し、「性風俗」という切り口から、困難を抱える女性や若者、日本社会が抱える様々な課題を捉え、その解決に関わることができます。

●スタートアップ組織の成長プロセスに携われる

風テラスは、2022年にNPO法人化したばかりの団体です。試行錯誤の中で、活動への参加には一定の自律性や根気強さが求められますが、前例のない新たな事業や企画をゼロから作り上げていく場面も多く、刺激や学びの多い環境です。上下関係のないフラットな組織で、独自の視点やアイディアを活かしながら、新規事業の中核に主体的に参画することができます。

●司法×福祉の現場最前線

性風俗で働く人たちの悩みや不安に向き合う現場で、ビジョンや想いを持つ弁護士・ソーシャルワーカーと一緒に仕事をしながら、対人援助や法律・福祉制度に関する具体的かつ実践的な知識を学ぶ機会があります。
同じ関心や志を持つ仲間と出会い、お互いを高め合うことで、視野や人脈も広がります。

●ビジネススキルの向上、社会人としての成長

理事長や経営層との距離が近く、社会に対する情報発信や政策提言、イベントの企画運営、事業開発や営業の場面にも間近で関わることができます。

他機関・他業種との連携、ソーシャルアクションについての実践経験が得られるほか、タスク管理やマネジメント力、思考力や課題解決力といったビジネススキルも身に付けることができます。活動を通して、自身の得意や強みを見つけ、伸ばしていける環境です。

募集期間・人数・勤務条件

募集期間2024年3月25日(月)~5月10日(金)まで
募集人数若干名
*業務は原則として全てリモートワークになるため、全国からご応募可能です。
応募資格・保有資格・学歴は不問
・ビジネスマナーがあり、基本的なビジネス文書の作成ができること
・PCやスマホ、SNSの基本操作ができること+PCで作業できる環境があること
・業務用のITツール(Slack、Googleドライブなど)の使用に支障がないこと
インターン・プロボノで
歓迎するスキル・資格
(必須ではありません)
・社会人経験が3年以上ある方
・チームマネジメント、プロジェクトマネジメントのリーダー経験がある方
・広報PR、営業、マーケティング、ファンドレイジング、ライティング、Webデザインなどの専門スキルをお持ちの方
・弁護士、公認会計士、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師、教員などの資格を取得済または取得予定の方
・相談支援の実践経験、SNS相談の経験がある方
・都内近郊にお住まいで、外出対応が可能な方(イベント運営補助、連携先開拓、営業など)
・地方都市在住で、地域の社会資源の提案や連携を検討できる方
求める人物像・風テラスの活動方針に共感する方
・柔軟性と自発性がある方
・時代のトレンドを積極的にとらえ、アップデートできる方
・プロジェクトを達成するために相談や共有ができる方
・自分の意見を伝え、他者と調整できる方
活動日数週1〜2日以上、6ヶ月以上
活動時間9〜21時頃の間で応相談
(会議、相談会、イベント等のスケジュールに合わせて適宜調整)
活動場所不問・・・活動は原則リモートワークとなるため、全国どこからでも応募可能です。海外から参画中のメンバーもおります。
報酬・給与原則無償(活動の成果や団体の状況によっては有償スタッフへの切り替えを検討)

相談員からのメッセージ

三上早紀(弁護士)

こんにちは!相談員で弁護士の三上早紀です。

困ったときの相談窓口はたくさんあります。「いつでも」「だれでも」「無料で」といった謳い文句の窓口もあって、一見するととても相談しやすそうです。しかし、風俗業界に身をおく方々は「仕事のことを言えない」「職業を聞かれたらどうしよう」という恐怖や不安が先立ち、相談に踏み切ることができないまま、状況をより悪化させてしまうケースが多くあります。

風テラスは、風俗業界に身を置く方々が、職業を包み隠さずに気兼ねなく相談できる場所です。この場所は、職業を隠さなくていい、安心・安全な場所です。

この貴重な場をこれからも維持し、より多くの方にとって役立つ場に発展させていけるように、私たちと一緒に頑張りましょう!熱意ある方の応募を心より楽しみにしています。

徳田玲亜(弁護士)

相談員の徳田です。

風テラスの相談をしていると,講義で学んだことがない,あるいは学んだことが役に立たない場面に何度も出くわします。

弁護士とSWが必死に知恵を絞り,相談者も一緒になって真剣に解決策を探ったことも何度もありました。

回答が出ないままに相談が終了してしまい,無力さに打ちひしがれることも多々ありますが,そんな状況でも相談を経て新しい一歩を踏み出して行く相談者に励まされることも多々あります。

相談員にとって学びの多い現場だと思います。言うまでもなく多くの相談員がいてはじめて成り立つ支援体勢です。一緒に活動できる仲間が増えたら嬉しいです。

インターン経験者からのメッセージ

(Aさん・女性・2022年度インターン)

私が風テラスのインターンを始めたきっかけは、友人から「風俗で働いている」と告白された経験があったことです。誤解を恐れずに言うなら、その告白から友人へのイメージは大きく変わりました。うまく言えませんが、今まで自分と「同じ」だと思っていた人が、とてつもなく「違う」人に見えました。

自分の認識の急激な変化に戸惑いました。私は、性風俗で働く人のことをもっと知って、自分の「偏見」に向き合う必要があると思い、インターンに応募しました。

「自分の人生に複数の選択肢を持てること、人に悩みを相談できること、数十年後の将来を考えることができること」

風テラスの相談支援に入る度に自分が当たり前だと信じていたものが全くそうではなかったのだと痛感します。風テラスのソーシャルワーカーさんが以前「社会の色眼鏡を1番感じてるのは、彼女たち本人だ」とおっしゃっていました。風テラスの相談に来られる方の中には、相談することに対して申し訳なさそうに振る舞う方が多いです。

「誰かに自分が困っていることを相談できる」

みんなができていいことなのに、なぜ「申し訳ない」と思わなくてはいけないのでしょうか。風テラスでは、一人の相談者さんの人生の岐路に立っています。ひとりひとりにどのように向き合えるのか、その背後にある社会の偏見にどう立ち向かうのか、日々勉強させていただいています。

(Kさん・男性・法科大学院生 2022年2月参画)

法律の勉強をしていると、教科書の難解な説明や抽象的な議論を前に強烈な睡魔と格闘しなくてはいけないことがよくあります。講義や試験で扱われる法律問題では、契約者は甲と乙だったり、犯人はXで被害者はVだったり、そこに特定の個人はいません。

しかし、風テラスの相談業務に関わっていると、(源氏名とはいえ、)具体的な誰かが、今まさに直面している問題について考えることになります。このような経験は自分にとっても貴重で、日々勉強になることが多いのですが、同時に、法科大学院で法律を学んでいる私や大企業で活躍している友人たちが気づかないうちに、深刻なトラブルに見舞われて風テラスにたどり着いた方が、これだけたくさんいるということに驚かされます。

この世界で、人間が集まって暮らす限りトラブルはなくならないのだろうとは思ってしまうのですが、少しでも状況を改善し、苦痛を和らげることはできると信じています。そのためには、まず何よりも現状を知ることが大事だと自分自身にも言い聞かせています。私自身もまだまだ知らないことだらけなので、これからも風テラスの方々の深い心づかいからたくさんのことを学んで、日々の相談業務に活かしていきたいと思います。

(Yさん・女性・法科大学院生 2022年9月参画)

私は、弁護士を目指して法律の勉強をしている学生です。インターンを始めるまで、風俗の世界についてはテレビやネットで聞きかじる程度の知識しか持っていませんでした。性風俗の世界について得られる情報は、特に断片的で偏見にさらされやすいものだと思います。

偏見に満ちた二次情報しか聞くことのできない風俗の世界のことを、実際に働いて困っている人から直接聞くことができる機会はここでしか得られない貴重なものです。

さらに、法律が実際にどのように役に立つのかを肌で感じることができたのと共に、法律の限界についても実感しました。知識を適切に伝えることによって、有効な支援を提供できる時もあります。しかし、金銭面や立証上の課題があって相談者の希望が叶わない時も多々あります。

また、相談者の抱える本質的な問題は、メンタルなど法律では解決できない問題である時もあり、この場合は、福祉領域の方の力が不可欠です。このような問題は、風俗業の女性に対しての相談に限らず、法律相談の場面では必ずあることではないかと考えました。

福祉と法律がどのように協働するのかという新しい試みについて、インターンで間近で見ることによって学んでおります。そして、法律の限界をこれからどう超えていくのか、考えるきっかけにもなりました。

採用までの流れ

以下の書類を、風テラス事務局(info@futeras.org)までメールにてご提出ください。

※メールの件名は「【インターン応募】〇〇〇〇(お名前)」または「【プロボノ応募】〇〇〇〇(お名前)」とお書きください。

<提出書類>

・履歴書
・職務経歴書(社会人のみ)
・志望動機書(課題図書1冊以上の感想を交えつつ、インターン・プロボノとしての志望動機をまとめたもの)
 ⇒様式は任意、A4・1枚(1000字)程度
・身分証明書の画像(学生証・運転免許証・パスポート等)

<課題文献(1冊以上をお読みの上、志望動機書に感想をご記入ください)>

『性風俗のいびつな現場』(2016年・ちくま新書)
『「身体を売る彼女たち」の事情 ~自立と依存の性風俗~』(2018年・ちくま新書)
『性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困』(2019年・集英社新書)
『性風俗サバイバル 夜の世界の緊急事態』(2021年・ちくま新書)
『福祉的アプローチで取り組む弁護士実務 ー依頼者のための債務整理と生活再建―』(2020年・第一法規)

 書類選考の結果は、募集締め切りの5月10日以降に順次お知らせいたします。

※実際に担当していただく業務は、採用者の希望や適性、団体の状況に合わせて、個別に相談の上決定いたします。ご関心のある業務や活かせるスキルについては、履歴書または職務経歴書にご記載ください。

インターン・プロボノのご応募に関してご不明な点がある場合、風テラス事務局(info@futeras.org)まで、お気軽にご連絡くださいませ。

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