プロボノ・インターンからのメッセージ

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プロボノメンバーからのメッセージ

(Sさん 自治体職員)

風テラスでプロボノとなって1年が経とうとしています。
私は行政の窓口で、長く相談支援に携わってきました。様々な事情で行政の「昼の窓口」にアクセスできない風俗の世界で働く女性が、安心して相談できる場、話を聞いてもらえる場である風テラスへの興味が、プロボノ応募のきっかけでした。

風テラスでは、私が普段出会うことのできない、多様な分野で様々な経験を積んだメンバーと出会いました。
そのメンバーとともに「風俗の世界で困難を抱えた女性の支援」という同じ目標に向かい、クラウドファンディングや広報活動など、いろいろなチャレンジを経験しています。

そしてここでの学びは、自治体職員として社会課題に向き合う時に「自分にも何かできるのではないか」と考えるきっかけをくれました。

これからも相談者が抱える様々な課題の解決、そしてその背景にある差別や偏見などへの挑戦に、少しでも貢献できればと思っています。 思いのある方、ぜひ一緒にやりましょう!

(ぽんずさん 中間支援団体職員 30代)

社会人として十数年、制作業を経て現在は中間支援団体の職員をしております。中間支援として求められる役割は様々にあるのですが、実際のところは自身の力不足を痛感することも多く、私自身がもっと活動の前線にいるNPOの現場を知り、その中で活動することから学べることがたくさんあるのではないか、と考えるようになりました。

そうした折、以前より活動内容に注目していた風テラスがプロボノを募集していると知り、私自身の課題感と、風俗・司法・福祉という領域への関心も重なり、風テラスに参画させていただきました。

まだ1年弱の期間ではありますが、実態調査の入力サポート、助成金申請の支援、クラウドファンディングの進捗管理、寄付者コミュニケーション、オンラインイベントの運営などに携わってきました。どれもスタッフやプロボノのみんなが対等に議論を重ねながら、それぞれの専門性や得意なことを発揮しあってプロジェクトを前に進めることができ、私にとっても大いに学びがありました。

また、相談員さんのお話から、相談者の切実な状況や、支援において大切にされている姿勢なども知り、改めてこの活動を持続的に行っていける基盤づくりが何より大切であり、そこに私も貢献していけたらと思っています。

インターン経験者からのメッセージ

(Aさん 2022年度インターン)

私が風テラスのインターンを始めたきっかけは、友人から「風俗で働いている」と告白された経験があったことです。誤解を恐れずに言うなら、その告白から友人へのイメージは大きく変わりました。うまく言えませんが、今まで自分と「同じ」だと思っていた人が、とてつもなく「違う」人に見えました。

自分の認識の急激な変化に戸惑いました。私は、性風俗で働く人のことをもっと知って、自分の「偏見」に向き合う必要があると思い、インターンに応募しました。

「自分の人生に複数の選択肢を持てること、人に悩みを相談できること、数十年後の将来を考えることができること」

風テラスの相談支援に入る度に自分が当たり前だと信じていたものが全くそうではなかったのだと痛感します。風テラスのソーシャルワーカーさんが以前「社会の色眼鏡を1番感じてるのは、彼女たち本人だ」とおっしゃっていました。風テラスの相談に来られる方の中には、相談することに対して申し訳なさそうに振る舞う方が多いです。

「誰かに自分が困っていることを相談できる」

みんなができていいことなのに、なぜ「申し訳ない」と思わなくてはいけないのでしょうか。風テラスでは、一人の相談者さんの人生の岐路に立っています。ひとりひとりにどのように向き合えるのか、その背後にある社会の偏見にどう立ち向かうのか、勉強させていただきました。

(Kさん 2022~2023年度インターン)

法律の勉強をしていると、教科書の難解な説明や抽象的な議論を前に強烈な睡魔と格闘しなくてはいけないことがよくあります。講義や試験で扱われる法律問題では、契約者は甲と乙だったり、犯人はXで被害者はVだったり、そこに特定の個人はいません。

しかし、風テラスの相談業務に関わっていると、(源氏名とはいえ、)具体的な誰かが、今まさに直面している問題について考えることになります。このような経験は自分にとっても貴重で、日々勉強になることが多いのですが、同時に、法科大学院で法律を学んでいる私や大企業で活躍している友人たちが気づかないうちに、深刻なトラブルに見舞われて風テラスにたどり着いた方が、これだけたくさんいるということに驚かされます。

この世界で、人間が集まって暮らす限りトラブルはなくならないのだろうとは思ってしまうのですが、少しでも状況を改善し、苦痛を和らげることはできると信じています。そのためには、まず何よりも現状を知ることが大事だと自分自身にも言い聞かせています。私自身もまだまだ知らないことだらけなので、これからも風テラスの方々の深い心づかいからたくさんのことを学んで、活かしていきたいと思います。

(Yさん 女性 2022~2023年度インターン)

私は、弁護士を目指して法律の勉強をしている学生です。インターンを始めるまで、風俗の世界についてはテレビやネットで聞きかじる程度の知識しか持っていませんでした。性風俗の世界について得られる情報は、特に断片的で偏見にさらされやすいものだと思います。

偏見に満ちた二次情報しか聞くことのできない風俗の世界のことを、実際に働いて困っている人から直接聞くことができる機会はここでしか得られない貴重なものです。

さらに、法律が実際にどのように役に立つのかを肌で感じることができたのと共に、法律の限界についても実感しました。知識を適切に伝えることによって、有効な支援を提供できる時もあります。しかし、金銭面や立証上の課題があって相談者の希望が叶わない時も多々あります。

また、相談者の抱える本質的な問題は、メンタルなど法律では解決できない問題である時もあり、この場合は、福祉領域の方の力が不可欠です。このような問題は、風俗業の女性に対しての相談に限らず、法律相談の場面では必ずあることではないかと考えました。

福祉と法律がどのように協働するのかという新しい試みについて、インターンで間近で見ることによって学んでおります。そして、法律の限界をこれからどう超えていくのか、考えるきっかけにもなりました。

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